地域支援活動「新潟県長岡市山通地域復興支援」
平成23(2011)年3月11日に発生した東日本大震災は甚大な被害を及ぼしました。お亡くなりなられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。
長岡市山通地域は信濃川右岸東山丘陵にひろがる地域です。平成16(2004)年に新潟県を襲った中越大震災の爪痕の大きな地域のひとつです。長岡市街地10Km圏内であるにもかかわらず、震災を契機に人口流出が進んでいます。長岡市山通地域には、市街地に近接しているとは思えない豊かな環境に恵まれています。柿川の左岸には、棚田や段々畑のひろがる里山景観が残り、歴史遺産を数多く残しています。里山景観の維持は、地域の人々の努力なしには不可能です。最近では、長岡市立柿小学校の卒業記念事業としてサケの稚魚放流をはじめ、サケの遡上復活を目指しています。また、いわゆる郷土料理に限定しない地域の食事再発見にも努めています。
NPOジョーモネスクジャパンは、平成13(2002)年から平成21(2009)年にかけて同地域中の柿町山下遺跡の発掘調査および周辺地域の調査を行った縁で、この地域の人々とともに、地域資源を活用した新しい地域づくりを支援しています。発掘調査を実施した山下遺跡は、全容を明らかにしたわけではありませんが、地域の人々に重要な文化資源として理解していただいています。
山下遺跡は、縄文時代中期「火焔土器の時代」の集落跡と推定され、将来にわたって里山景観とともに、遺跡を保存していきたいと考えています。そのため、縄文時代の遺跡の存在を中核にして、地域の人々が参加できる方法を検討しています。
検討している計画のひとつに、縄文時代のストーンサークルをモデルとして、地域の人々が参加したモニュメント‐モダン・ストーンサークルの造営を考えています。詳細はこれからの検討を要しますが、現代の私たちがつくるストーンサークルは、地域復興の証になることを願っています。