縄文ランドスケープ002 八幡台遺跡

担当:中村耕作


時期:中期中葉(勝坂式期)~後期後葉(曽谷式期)
所在地:神奈川県伊勢原市東大竹
緯度・経度:35°23’05” 139°18’41”(測地系Tokyo)
撮影日:2011年3月21日(春分)(1)
方角:大山 W-38-N 丹沢三ノ塔 W-27-N 富士山 W-4-S 箱根明神ヶ岳 W-28-S


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(1) 春分富士日没




 大山・丹沢・富士・箱根を一望できる台地上に位置するこの遺跡では、昭和初年に2箇所で「敷石住居(2)」が発見され、国史跡に指定されました。
 その後、数度の調査が行われていますが、全貌はまだ明らかになっていません。
 遺跡の中央部分からは縄文時代中期の土器が見つかっていますが、縄文時代後期前葉~中葉の集落が主体のようです。
 最初にみつかった「敷石(2)」のうち、1箇所は、現在では配石墓群と考えられており、周辺からも墓域が確認されています。
 また、東北北部でストーンサークルを作った人々の土器である「十腰内Ⅰ式」の土器が持ち込まれていたり、神奈川県では数少ない土偶が見つかったりする点でも注目されます。
 その後は、遺構は見つかっていませんが、神奈川県西部では数少ない、縄文時代後期後葉まで続く遺跡として重要です。

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(2) 昭和初年発掘の敷石




 この遺跡からは春分・秋分には、大山の裾野と富士の交点、夏至には大山の肩の向こうの丹沢三ノ岳に(3)、冬至には箱根の明神ヶ岳と神山の鞍部に(4)日没を望むことができます。

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(3) 夏至三ノ塔日没シミュレーション画像



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(4) 冬至箱根日没シミュレーション画像



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